BOOK

中島らも『ロカ』

中島らも氏の本当の遺作と言える作品。作品のおそらく前半部分でしょうか、これから物語が転がり始めるだろうところで残念ながら中島らもさんが急逝されたために絶筆となっている。がくーん。もっと読みたい。先が知りたい。そう思っても知りえるはずもなく…

町田康『告白』

明治26年5月25日深夜、雨、河内国赤阪村字水分の城戸熊太郎は、博打仲間の谷弥五郎と共に同地の松永傳次郎宅などに乗り込み、傳次郎一家・親族ら十名を斬殺、射殺。被害者の中には熊太郎の妻ばかりか乳幼児も含まれていた。 この事件は『河内十人斬り』と呼…

『ダ・ヴィンチ・コード』

洋書で売れ筋という苦手なラインではあったが読み始めたら上下巻を一気に読了。これ面白ーい。そりゃ全世界で売れてんだから面白くないわけないわけで、食わず嫌いは良くないねとか思いながらもやっぱりハリーポッターやら「いま会いにゆきます」みたいな部…

京極夏彦『姑獲鳥の夏』

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)作者: 京極夏彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/09/14メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 282回この商品を含むブログ (435件) を見る 食わず嫌いってわけじゃないけどなかなか手に取ることがなくて、今夏映画化されるし…

『BRAND NEW ME,BRAND NEW WORLD』舞城王太郎

『ファウスト』Vol.5掲載の待ちに待った舞城の新作はマンガ。 つまりはマンガ家舞城王太郎本格デビュー!!ってわけで発売日を心待ちにしてたんだけど、とりあえず立ち読み。今月は、いや今月もかなり困窮しているのです母さん。 舞城のマンガは以前『ファウ…

俺リーディングカンパニー

何ともいろいろやらなければならないこと山積みではあるんですが、ここぞとばかりに本の世界に逃げ込んでます。かなりのリーディングっぷり。カンパニーに行く途中でリーディングしてるわけで間違ってはないのです。むしろ本来の意味の方がいまいち分からん…

Kamzine

通勤時など電車内で立っているのに器用に片手で新聞を読んだり、親指で器用にページめくりつつ文庫本なんかを読んでる人を見ると「あーあ、器用損してんなおい」とか思う。もっとその器用を他に生かせよと思う。チャッチャッと腹部縫合手術したれよと思う。…

舞城王太郎『世界は密室でできている。』

再読。このところ舞城再読フェスタ。いい小説というのはちょっと細部忘れてるくらいで再読すると俄然いい。新しい発見と驚きがその深みを増す。 『煙か土か食い物』『暗闇の中に子供』の奈津川サーガ2作に続いて刊行された今作は奈津川サーガ番外編チック。…

舞城王太郎『煙か土か食い物』

もう何度目かの再読。読むもんがなくなると読んでる。舞城作品ではやっぱこれが一番好きなのかもしれん。奈津川サーガは俺にものすごく大きな影響を与えてくれていて、延期に次ぐ延期で発売の遅れている奈津川サーガ第三弾(おそらく二郎編?)が待ち遠しく…

舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』

待ちに待ってた舞城の新作。今月号の新潮に掲載されている『ディスコ探偵水曜日』。しかも『第一部 梢』って、じゃあ第二部とか第三部とか続いていくわけね、ディスコサーガが始まるわけね。と期待ワクワクワークマンで一気に読了。 主人公は探偵である。迷…

舞城王太郎と吉田豪と「en-taxi」

本番が近付くにつれバタバタと忙しくなり本屋を覗くこともままならず俺の読書欲が疼いて疼いてしゃあない。みんなにとってのストレス解消は酒飲んだり衝動買いしたり弱い者いじめしたりであるのなら俺の場合のそれは読書なのである。仕方ないから棚にある以…

『となり町戦争』三崎亜記

小説すばる新人賞受賞作。三崎亜記という名前と装丁から著者は可愛らしい文学少女かと思いきや神経質そうな眼鏡の似合うくすんだ感じの青年だった。いや別にがっかりはしてねえけど。 ある日、町の広報紙にとなり町との戦争が始まったという記事が出る。しか…

『サーチエンジン・システムクラッシュ』宮沢章夫

著者の宮沢章夫という人は演劇の世界では相当有名な人なんだと思う。なんでここで「なんだと思う」っていう表現を用いるのかっていうと実際俺は最近まで全然面識はなく、っつうか今もないけど、なんとなく名前は知ってたけどそれは今思うと昔「SPA」でニュー…

パンク侍、斬られて候

俺の読書歴の中で最も偉大な存在であり多大な影響を受けたのは舞城王太郎であり、それはやぶさめHBZの公演で如実に表れちゃってて、つーかやぶさめで構築した世界は舞城王太郎へのリスペクトから産まれた世界だったりするわけで、奈津川サーガを形を変えて自…

芥川賞と直木賞

芥川賞が阿部和重「グランド・フィナーレ」、直木賞が角田光代「対岸の彼女」に決まった。「グランド・フィナーレ」はちょうど読了したばかりなのでちょっと嬉しい。奈良の幼児殺害事件直後だったから不利なのかと思ったけどそうでもないみたい。なんか記者…

阿部和重『グランド・フィナーレ』

阿部和重の作品は初期の「アメリカの夜」と「インディヴィジュアル・プロジェクション」くらいしか読んでなくて、それ以降なんとなく食わず嫌いになってた。なんとなくなんだけど。で、今回は他の作品目当てで「群像」の12月号を読んだんだけど目当てだった…

恋の門

ブログを二日もお休みしてしまいました。今年は鉄人衣笠のように365日全試合出場を目指していたんですが、意外とそうもいかない。羽生生純の『恋の門』読破。映画の方が先になっちゃったけど、原作もいい。クライマックスは重いけど、それもまた人生。悲惨さ…

花とみつばち

何故か大晦日に向けて安野モヨコの『花とみつばち』を全巻読破。まあ大晦日ムードとかまったくないからいいんだけど。この物語はさえない高校生・小松正男が『モテたい』ために怪しいエステに通い変貌していき恋に人生に迷って成長してドーンみたいな話。ハ…

和製シザーハンズ

ようやっと殊能将之『ハサミ男』読了。 内容(「BOOK」データベースより)美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る…

夜中に井戸がやってくる。

ファウストVol.4購入。舞城の新作『夜中に井戸がやってくる。』が収録されてる。しかも乙一やら佐藤友哉やらのリレー小説コーナーではイラストも全部舞城で舞城祭りみたいになってる。『夜中に〜』は「夜中に必ず読むこと」とか書いてあって従順に夜中に読ん…

みんな元気。

解禁第2章。つうことで新宿紀伊國屋に走り、舞城王太郎『みんな元気。』を購入。新宿紀伊國屋には写真の舞城直筆POPなんかもあって乙女の如くきゃっきゃと激写。ただのワンフーである。『みんな元気。』は中短編集で俺が好きな『スクールアタックシンドロー…

「頼むってマジでバット男。バット使ってくれって真剣に」

戯曲『バット男』(原作・舞城王太郎、著・倉持裕)購入即読了。クリオネプロデュースで10/24まで上演されてたんだけど、舞城作品初の舞台化ってんですげー観たかったんだけど、やぶさめで忙しいやら怪我するやらチケット高いやらで行けなかった。最後の問題…

グロテスク

桐野夏生著『グロテスク』読了。言わずとしれた東電OL殺人事件を基にした小説。なんか重くて痛くて切なくて、人間の汚いもんとか深いとことかエグいとことか出てて、面白かった。ラストも「やべーそっちかよー」とか思いつつも、これ以上ないってくらい、こ…

制コレISMな朝

舞城王太郎の掌編『A Dragon Girl』が集英社の「制コレISM」っつう写真集に掲載されるとの情報を掴み、朝の仕事前にコンビニに寄った。そう言えば、前にもヤンジャンで戸田恵梨香っつう子のグラビアに『petals』つう掌編を掲載してた。で、その後のファウス…

『好き好き大好き超愛してる。』舞城王太郎

芥川賞候補にもなった今作。群像に掲載された時から何度も読んでるんだけど、単行本となるとまた趣きも違ってくるわけで。しかも同時収録の『ドリルホール・イン・マイ・ブレイン』とで作品ごとに紙が違くて、フォントも違う。粋。で、2作品の間にはイラスト…

『駒月万紀子』

芥川賞を逸した舞城王太郎の新作『駒月万紀子』読了。これほんと舞城知らない人には全然分かんない話になっちゃうんだけど、「煙か土か食い物」「暗闇の中で子供」に続く今秋発売の奈津川サーガ第3作の前哨戦であって、ついに今回は奈津川家の次男である二郎…

舞城王太郎芥川賞逃す!

第131回芥川賞はモブ・ノリオ氏に決定!(平成16年度上半期)第131回芥川龍之介賞の選考委員会が7月15日(木)午後5時より築地・新喜楽で開かれ、以下の候補作品の中から、モブ・ノリオ氏の「介護入門」が受賞作と決まりました。なお、贈呈式は8月20日に…

芥川SHOW

第131回芥川賞、直木賞の候補作が決まった。【芥川賞】絲山秋子「勤労感謝の日」▽栗田有起「オテル・モル」▽佐川光晴「弔いのあと」▽舞城王太郎「好き好き大好き超愛してる。」▽松井雪子「日曜農園」▽モブ・ノリオ「介護入門」【直木賞】伊坂幸太郎「チルド…

『ピコーン!』

キタ―――(゜∀゜)―――!!普段使わねえけど、これ「キター!」つう感じするな、やっぱ。ついに出ました。IKKI8月号別冊付録『ピコーン!』原作・舞城王太郎作画・青山景ついに舞城ワールドがマンガになっちゃって、普段マンガ読まない俺も仕事中に本屋に走りゲッ…