『駒月万紀子』

ファウストVol.3より

芥川賞を逸した舞城王太郎の新作『駒月万紀子』読了。
これほんと舞城知らない人には全然分かんない話になっちゃうんだけど、「煙か土か食い物」「暗闇の中で子供」に続く今秋発売の奈津川サーガ第3作の前哨戦であって、ついに今回は奈津川家の次男である二郎が登場。ま、二郎の恋人が二郎のこと語ってるって作りになってんだけど、…って、ほんとマニアみてえな事書いてるっぽいけど、ほんとオススメだから。もう舞城にはインスパイアされまくりですから。秋のやぶさめハンサムボーイズ「ナス、ガス爆発」にも多大な影響与えてますから。まあ、全然及ばないけどね。

この本の中の二郎の言葉にこんなのがあった。

『演じることと遊ぶことは同じくPLAYであって人間の遊びの根本は演技なんや』

ねー、やぶさめもこんな遊びの感覚でやれたらなーとか思う。
にしても今回はヤンジャンで掌編を寄せた戸田恵梨香まで登場人物として出てきちゃうし、やっぱなんかこの人すげーなーとか思いつつ、芥川賞は取れなくてよかったんじゃねえかなーとつくづく思う。これは考えたうえでの「思う」だし、俺も俺ん中の自分をどんどん殺して再生して新しい俺がどんどん出てくればいい。そうすりゃ脚本もどんどん面白くなるんだろうな。