俺リーディングカンパニー

 何ともいろいろやらなければならないこと山積みではあるんですが、ここぞとばかりに本の世界に逃げ込んでます。かなりのリーディングっぷり。カンパニーに行く途中でリーディングしてるわけで間違ってはないのです。むしろ本来の意味の方がいまいち分からんちう話で。GW明けからばっさっばっさと読んでおります。活字っていいね。


 

暗闇の中で子供 (講談社ノベルス)

暗闇の中で子供 (講談社ノベルス)

 舞城王太郎奈津川サーガ第二弾。再読。
『あの連続主婦殴打生き埋め事件と三角蔵密室はささやかな序章に過ぎなかった!
「おめえら全員これからどんどん酷い目に遭うんやぞ!」
模倣犯コピーキャット)/運命の少女(ファム・ファタル)/そして待ち受ける圧倒的救済(カタルシス)……。奈津川家きっての価値なし男(WASTE)にして三文ミステリ作家、奈津川三郎がまっしぐらにダイブする新たな地獄。』
 『煙か土か食べ物』はやたら何度も読みまくってたんだけどこっちはかなり久しぶり。ラフマニノフと知り合いの彼女やら奥さんをこよなく愛する小説家・愛媛川十三こと奈津川三郎が主人公。奈津川兄弟でも一番の凡人(と本人は思っている)である三郎は不思議な魅惑の13歳の少女・ユリオと出会い、あんな事件やこんな事件に遭遇して云々。相変わらずのぶっ飛んだ事件だったり四郎がぶっ飛んだりハンニバル・レクターやら人食いチウヒやら出てきて大変なんですが、これ初めて読んだ時2回目の方がよかった。三郎って他の一郎二郎四郎と違って一番普通の人というか、情けなくてへたれでダメな奴で、なんというか感情移入しまくれる。中盤以降の訳分からなくなってくる展開にはいろいろ諸説あるけど、まあ一般に言われてる説(ネタばれになるから言わない。読めばいいのだ)で合ってるね、やっぱ。三郎の中のすべての思いがぐあああっと溢れててなんとも舞城やっぱ最高。早く二郎編書きなさい。

  
 

鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)

鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)

 こちらはなかなか食指の動かなかった佐藤友哉鏡家サーガ例外編。『フリッカー式』と『クリスマステロル』は読んでたんだけど「ファウスト」とか「新潮」の短編読んだりして「なんだかなあ」とか思い、なかなか読まずにいた。内容はこんな感じ。引用。 
 『誰もが365日分の1日で終わる予定でいた6月6日。鏡家の三女、鏡佐奈は突然の大地震に遭遇する。液状化した大地に呑み込まれていく校舎を彩る闇の色は、生き残った生徒たちの心を狂気一色に染め上げてゆく…』
 とまあバトルロワイアルっぽかったり漂流教室っぽかったりだけど、面白かった。この人は内面をガツガツ掘り下げるよりもこういうエンターテインメントな感じの方がいい。今作はリズムもいいし今までので一番いい。でも表紙がね、なんか電車ん中で恥ずかしいのよね。


 

牛への道 (新潮文庫)

牛への道 (新潮文庫)

 で、今日からはこれ読もうと思ってます。