阿修羅ガールパスタ

 俺は結構好きな本とかに影響されて映画観たり音楽聴いたりとかする。その世界を堪能したいわけでとかではなく読んでると観たり聴いたりしたくなるのだ。最初に『阿修羅ガール』読んだ時に『ビッグリボウスキ』観て、『煙か土か食い物』読んだらハンソンやらラフマニノフやら聴きたくなった。あと村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』読んだ時は異常に脂身食いたくなったり。
 要は単純なのである。
 文庫版『阿修羅ガール』には短編「川を泳いで渡る蛇」が収録されてるからハードカバー持ってるのに買って久しぶりに阿修羅ガール読んでたらまたその虫が疼きだした。
 

 今回は主人公アイコのお兄ちゃんの作るパスタが食べたくなった。

 
 『お兄ちゃんはまずにんにくの皮をむいて潰して鷹の爪の種を抜いて刻んで冷凍してあったベーコン取り出してラップとってナスを切って皿に載せてレンジに入れて玉ねぎの皮をむいてみじん切りにしてフライパンを火にかけてオリーブオイルたっぷり引いて熱くならないうちににんにくを放り込む。それから鷹の爪とベーコンと玉ねぎを放り込んで炒めてレンジから柔らかくなったナスを取り出してそれも炒めて最後に缶詰のホールトマトを潰して混ぜて、塩コショウコンソメにちょっと醤油をたらし、砂糖を加えて味にまとまりをつける。それから火を消してそのソースを冷ます。冷ましている間に水を火にかけて沸騰したらそこにパスタを入れて茹でる。パスタが茹であがりそうになったらもう一度ソースに火をかけて、熱さを取り戻したソースに茹で上がったパスタをお湯から上げて混ぜ込む。で出来上がり。』(本文より抜粋)


 ぐおー、これ食いてー。とか思って全部買ってレシピ通りに作ってみる。
 文庫本見ながら料理するってのも不思議なものである。
 で、完成。すげー美味い。俺天才料理長。超料理長。


 このナスとベーコンのトマトソーススパゲッティは我が家では『阿修羅パスタ』と名付けられ、日曜にはお父さん腕によりをかけて阿修羅パスタ作っちゃって息子も大喜び、ほっぺにソースつけて口にパスタ入ったまま「おほうはんほハフハほいひー」とか言うのだ。
 お父さんのパスタおいしー。
 ぐわ、ものすごく幸せっぽい。岩城滉一んとこのカレーよりも緒方直人が食ってたシチューよりも幸せ感満載なのである。もちろんスタローン(もしくは別所哲也)が持ってきたハムよりも美味しいのである。
 簡単に作れるので男子も女子も是非お試しを。
 ほんとにちょっとだけ自分が立派な人間に思えるから。

阿修羅ガール (新潮文庫)

阿修羅ガール (新潮文庫)