舞城王太郎『重たさ』


 自分の背負いこんでいる〈重たさ〉。その数ある〈重たさ〉を一つ一つ自分で把握していく作業をしていく主人公。それは〈重たさ〉を切り離すんじゃなくて、ただ確認していく。とりあえず確認する。
 人間誰しもさまざまな〈重たさ〉を背負っていて、つい先日そんなような話をしたもんで刺さった。でもその〈重たさ〉の中には喜びやら愛情やらあって、簡単には切り離せないよね、それが人間だものと相田ロジックにならないところが舞城王太郎であって、相変わらず深いテーマを舞城節でさくさく読ませる。だから入ってくる。そんでテンションが上がる。舞城の文章読むと自然とテンションが上がってメールが軽快になる。わかりやすいな俺。
 今回も最後の一文に全てが集約されてて、スッキリ感晴れ渡る。あまりに人間的で下世話なことがすごく真理をついていて唸る。唸るでござる。あ、安直。


 ともかくはえぎわにしろ舞城にしろ、自分の精神状態にアレしたアレはやはりアレなのである。