白岩玄『野ブタ。をプロデュース』

 

野ブタ。をプロデュース

野ブタ。をプロデュース

 読もう読もうと思って図書館で予約してたんですが、日テレで秋よりKAT-TUN亀梨和也とNEWS山下智久でドラマ化されると聞き、早く読みたいーとか思ってたら図書館の予約はまだ50人待ちだったので購入しました。


 さて、内容はというと『クラスの人気者である主人公・桐谷修二が転校してきたデブでキモいいじめられっこの小谷信太(通称・野ブタ)を人気者にするべくプロデュースしていく』という話。なんとも分かり易くてキャッチーなタイトルである。そうか『野ブタ。』の『。』は『モー娘。』の『。』なのかーと納得したりもした。
 この修二というのが曲者でものすごく世の中を斜に構えてみているひねくれ者。『桐谷修二』という≪着ぐるみ≫を着て、周りの人間に対して心の中で悪態吐きながらも、人気者としてうまいことやっているのである。人は誰だって自分を演じてるわけで、誰もが自分の着ぐるみを着ている。それが≪キャラ≫ってやつだ。周りが思っている自分の≪キャラ≫を演じなくてはならない状況が人生にはたくさんあって、僕も意外とがっぽり着ぐるみ着てるタイプだから、この修二の気持ちに共感した。確かにその通りであって、そういうのがない人は≪天然≫って呼ばれたりするけど、やっぱりゆうこりんとかも≪天然≫という≪着ぐるみ≫を被っているんだろうとか思うし。
 修二のおかげで野ブタはどんどん人気者になっていく。これが見事なプロデュース術で、結構参考になるんじゃないだろうか。これに自分のキャラを合わせていけば貴方もみるみる人気者に!そんな感じすらする。高校ん時の僕だったら実践してるかもしれない。人気者になりたかったから。


 すごく読みやすくて(やはり文章は口語体に限る)、野ブタが徐々に人気者になっていく過程も面白いんだけど、単純に「野ブタ。をプロデュースして大成功いぇい!」みたいな話ではなく、最後にはどんでん返しも用意されていて(あんまり好きなラストではないけど)、なんともドラマ化しやすい話だ。
 しかし主演は亀梨和也山下智久で、修二役は亀梨くんだそうだ。
 ってことは、山下くんが野ブタになるんだろうか。ナッティプロフェッサーみたいな特殊メイクをするんだろうか。でもそれだったら出る意味がないし、原作読んだら野ブタ相当ひどい目に遭ってるし、それなら何も山下くん使うより内山くんとか若いデブキャラ達の方が面白いだろうに。


 とか考えてたらこんな話を耳にした。どうやら原作とは設定が異なり『亀梨くんと山下くんが二人で、人気のない女子転校生をプロデュースする』らしいのである。
 あちゃああ。
 危険。
 これは危険。
 せっかく原作が面白いのに、あえて原作から変えてくるってのはよっぽど面白いのか、Wジャニーズで視聴率が取りたいだけなのかどっちかです。
 さぶいことになりませんように。
 

 【番組HP】http://www.ntv.co.jp/nobuta/