佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』


 日々引越しが云々、忙しい云々、車中泊が多い云々と言うてる僕ですが本は読んでます。趣味は読者とゴミ捨て、成願です、こんばんは。
 友人モヤくんに似ている佐藤友哉ですが、この作品は相当すごい。ベストです。
 何がすごいって勿論内容なんですが、これは小説、映像、舞台、その他もろもろ、あらゆる創作者がぶち当たる問題、その大きな概念を描ききっていて、その挑戦的な姿勢に唸る。低くね、ぐるる〜っと唸る。その問題ってのは「あらゆる創作物は何かの模倣である」つまり、どれだけオリジナリティがあるように言っても所詮何かの模倣=パクリの上に成り立っているという事実。それを具現化したバックベアードと日本文学。
 本当のオリジナリティなんてもう見つからないかもしれない。でもその模倣された物であってもその作品が面白ければいいのだ。浜崎あゆみが好きならそれはそれでいいじゃんつう話である。
 創作に携わるあらゆる人間はこの問題に直面するんだろうけど、要は面白ければいいんです。