放火か誘拐か生き埋め

jogantoru2006-06-27




 このところえげつない事件が続いている。
 奈良高1放火、渋谷女子大生誘拐、岡山大学生生き埋め殺人。


 はっ!
 学生が危ない!


 という話ではなく、これらが何だか興味深いのはどの事件もどこか稚拙で短絡的で、そしてカラッとしてるからだ。言い方はおかしいが爽やかである。もちろん実際の事件は爽やかじゃない。だって人死んじゃってるし。


 爽やかというと語弊があるかもしれないけど、なんつうか普通の会話レベルの話題がそのまま事件に発展出来ちゃう単純さというか、当たり前感というか、その辺が怖いし、興味深い。


 「あいつの母ちゃん、カリスマ女医でテレビとか出てんだぜ」「マジで?」「拉致っちゃおうぜ」「いいねえ、なんかセレブとか言ってムカつくし」「ちょっとかわいいし」「で、でね、でね、身代金!」「3人だから3億!」「一人1億!すごくね?」「すげえ!」「やっちゃう?」「やっちゃう!」


 とかだし、


 「小林くん、俺やべえよ」「何が?」「なんか告った女に男いてさ、なんかチョーキレてんだけど。バックにヤクザいるし金出さないと埋めんぞこらとか言われたー」「マジかよ?怖え」「怖え。金ねえし」「じゃあ、俺らもバックにヤクザいるじゃん?」「いねえよ」「いることにすんだよ、しかもちょっと強えの。で」「で?」「生き埋めー」「おー」「目には目を、じゃね?」「ハムラビ!」「ハムラビっちゃう?」「ハムラビっちゃう!」


 とかだ。
 それが本当の事件になるんだからアーセル。



 そして奈良高1放火事件。
 これが一番興味深くて、なんやかんや言われてるけど結局は「今の現況をリセットしたい」つう話で。これ芝居とか映画ならベタなネタだけど、ベタがベタに現実に起こるとすごくリアル。
 これは気持ち分からんでもない。
 惰性で進んだ時間と収まりつかない嘘と逃れられないっぽい現実は一括消去で燃やしちゃえ。
 分からんでもない。分からんでもないけど燃やしちゃうなよって話だ。
 しないもの、普通。放火も誘拐も生き埋めもしないもの。
 それを実行出来ちゃう嘘みたいなリアルが怖い。


 事実は小説より奇なりと言うけど全然奇じゃなくて普通の延長なんですね。
 そんな奇妙なリアルを越えるには物語はどんなリアルを提示すればいいんだろうか。基準が曖昧過ぎて何もかもがフィクションでありノンフィクションであるような気がする。



 僕は何が言いたいんでしょうか。



 あと、知り合いの娘さんが東スポに載っててびっくりしました。プロレス会場で見つけたナイスギャルだそうです。この記事を見て誘拐されませんよう。