僕たちのワールドカップ〜第一次麹町戦争〜

jogantoru2006-06-13



 通常ですとワールドカップが云々、ジーコ采配が云々、ラスト3分に出てきた大黒ってどんな気分だったの云々とか書くんですが、今日はシャットアウト。負けは負け。次がんばって。


 で、昨日。
 急遽GyaOで配信される『西口プロレス・ザ・ワールド』という番組に出演することになり、とりあえずヤクザ役だというので眉毛を細く髪を黒くして、ASSHリーダーでありヤクザリーダー役のまつだ壱岱氏と待ち合わせる。
 朝からジャパハリネットのPV撮影で遠藤憲一さんを刺してきたという壱岱氏は渋谷駅前の人混みの中でも一目で分かるほどのヤ・ク・ザ。
 そんなヤクザと半蔵門線で17時に麹町のスタジオへ。


 聞いてみると今日の収録は『ガマンNo.1決定戦』だとか。ま、いろいろガマンするわけです。
 で、最後決勝戦になって「ヤクザに殴られたり脅されたりするのをガマンする」らしいんですね。ちょっとこうドッキリ的な感じでやってくれと。残念ながら長州小力とのカラミではないらしい。
 で、そのヤクザが僕ら。


 
 壱岱氏はこんなだもん。いいじゃない。疲れてるようだけど全然ヤクザだもん。


 で、僕ですよ。
 ヤクザなんてやったことない。花やお菓子を愛でるばかりの僕に暴力なんて。むしろガンジー寄りな僕にそんな大役が務まるわけがない。


 


 基本的にこんなんですもの。


 でも、



 





 


 意外とそれっぽくなるものである。





 で、そこからは収録が押してるとかで待ち。
 スタッフ曰く
『出演者はお二人が役者さんだってことは知らないので、逆にトイレとかロビーとか堂々と歩いてビビらせちゃってください。ただ、あくまで、ヤクザとしてお願いします』
 そんなわけないやろ〜、知っとんねやろ〜。と、こだま師匠のように思いながらも、万が一もありますし、役者として悟られるわけにはいかない。嗚呼、トイレ行きたくない。
 すると壱岱氏、ジャケットを羽織り、目力込めると
『行ってくるわ』
 と、便所へ。ちょっとオトコ前ですらある。ちょっと火打石合わせたいくらいに。



 しかし、戻ってきた壱岱氏は控え室に入った途端爆笑。




『やばいやばいやばい、変な奴ばっかいる。ありえねえ!すんごいデブがいた!すんごいデブで、メイド!』







 


 こいつだ。
 安藤なつ。プロフィールを見ると『ドスコイロリータ(ドスコイゴシックロリータ)』らしい。なんだ、何で言い換える?ゴシックあろうがなかろうがいいじゃないか!とか思う。
 すると僕にも激震。膀胱が疼き始める。
 やばい。
 自信ない。
 しかし、膀胱はズンズンズンズン。



 行くしかない。


 とりあえずサングラスをかけ、ええいままよ、控え室を出る。
 ロビーにはたくさんの西口プロレスのみなさん。
 なんか白い奴がいる。









 


 こいつだ。
 グレート乙羽屋。江戸からの刺客らしい。年齢 三百三十八歳って江戸からだから?OEDO歌ってた人じゃないの?


 何とか堪えて控え室に戻る。


『なー、やべえよな、やべえよな!』
『チョー焦った!白いもん!白いもん!』


 全然ヤクザじゃない。
 その時、ふと時計に目を遣ると19時。二人は気付く。



『待たされすぎじゃね?』 

 
 すでに2時間。全く呼ばれる気配がない。
 待たされてると気付くとイライラしてくるものである。






 
 どうなってんだよお。



 イライラは募る。


 仕方ないからテレビを付けるとNHKでワールドカップのダイジェストがやってる。


 また気付く。




『日本戦見れなくねえ?』


 ますますイライライライラしてくる。
 

 が、テレビから流れるオレンジレンジに気分が高揚してきたりする。オレンジレンジっていいよね。そんな二人のアイコンタクトが二度ほど有り。
 気がつけばサッカーに見入ってる二人。
 すごい奴がいた。オランダのアリエン・ロッベン。すげえ巧い。『こいつ、ハゲてるしジダンみたいになるんじゃん?』そんな会話をしていると、ロッベンが紹介された。



 
 アリエン・ロッベン
 1984年生まれ、22歳



 これで22歳!?
 ありえん!ロッベン


 ちょっと自信がついた。




 ゲストのロッテ西岡を見ながら「妹のダンナ(まーくん)に似てるなあ」とか思ってると、アナウンサーが「間もなく日本VSオーストラリア戦です!それではみなさん、後ほどお会いしましょう!」
 時計は20時半。







 
 待たされ過ぎだよな?



 イライライライラ。
 すでに役ではなく、すっかり怒り心頭な二人。

 
 スタッフさんにも『いつまで待たすんだよ!』みたいになってくる。
 で、ようやく呼ばれたのが9時。
 しかも『とりあえずボコボコにしちゃってください』の一言。
 全然ドッキリじゃねえじゃん!
 でも、なんか手持ち無沙汰である。




 
 あ〜、なんか武器とか持ちたいッスね、俺ほんとは弱虫だし。





 なんかねえかなあ。









 
 これだ!



 この瞬間、僕は『サンダルのマサ』という男になった。マサのサンダルが唸るぜ。
 壱岱氏は手にペットボトルを持って、いざスタジオへ。





 スタジオの外で待たされる。
 なんか中は楽しそう。みんな『いえーい』とか言ってる。
『最終決戦〜!』
『いえーい!』 
 こっちは4時間待たされてんのに『いえーい』である。
 MCの人が言う。


『それでは、入っちゃってくださーい!』




 その刹那。
 壱岱氏はダッシュで駆け込むとペットボトルを投げ付け、


『なんだこらあああああああ!』


 獣である。獣の咆哮である。
 なんか金髪の男に殴りかかっている。
 あまりのことにスタジオ内が一気に静まり返る。


 出遅れた!僕もそのままダッシュでもう一人のパンツ一丁の奴に蹴りを入れる。


 そんな僕らに殴られたり蹴られたりしたのは、


  
    


 佐々木孫悟空さんとジャイアント小馬場さん。
 前もって情報がないから、ただただ虐めるしかなかったんだけど、小馬場さんはダイアナ妃とか武田信玄の物まねが出来るらしい。見たかった。



 しかし、僕らは、
 蹴って、蹴って、叩いて、叩いて、蹴って、蹴って。
 二人並べてケツに俊輔ばりのフリーキックだ。
 自由だ。人の尻を蹴りたい放題。
 まさにフリーキック


 壱岱氏が吼える。
『何時間待たせてんだ、こらあああああ!』
 佐々木くんはなんかもう泣きそうである。
 さらに佐々木くんにマウントポジションになり、殴る殴る殴る。
『だめです、それはダメなんですう』
 何がダメなんだ、佐々木くん。
 そこに壱岱氏、
『サッカー始まっちゃうじゃねえかよおお!』
 もう何でもありである。

 
 すると小馬場くんが動いた。



 ここだ!


 僕はサンダルを手に小馬場くんの頭をサンダルでスパーーン!


 しかし、小馬場くんのリアクションが弱い。
『おめえ、地味なんだよおおおおお!』 
 そして、もう一発、スパーーーーン!
 そのまま、キーーーーック!




 なんというか、















 暴力って気持ちいい。





 軽くエレクトした。




 とりあえずADさんが『もうOKです』とカンペを出すも、壱岱氏は止まらずに椅子は投げ出し、しまいには小馬場くんに、




『脱げ!』



 小馬場くんが躊躇っていると、






『中途半端なんだよおおおお!』




 小馬場くん、散々である。




 意気揚々と楽屋に引き揚げるヤクザ二人。
 ちょっと興奮状態。つうか、すごく楽しい。
 楽屋に戻り、『トオル、いきなりテンション高いからさあ』『いやあ、壱岱さん相当でしたよお』『チョー楽しかったあ☆』『またやりたいネ☆』と体育のあとの女子のようにキャッキャ着替えていると、ディレクターさんが『あ、ありがとうございました』と入ってらっしゃった。
 僕らが『すいませーん、みなさんに挨拶したいんですけど』と笑顔で言うと、顔を強張らせて『い、いや、ま、まだ収録ありま、すんで!』




 完全にビビられてしまった様子。
 

 でも、さんざん待たされた割には帰り道はキャッキャしてたんで、結局楽しかったようです。
 また、呼ばれないかな。
 もっと頑張るのに。


 
 


 サンダルのマサはいつだってスパーンと行くんで、夜露死苦



 配信は7月だそうです。
 でも、普段は二人ともとっても優しいんだよ。


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 【西口プロレス・ザ・ワールド】http://www.gyao.jp/sityou/catelist/pac_id/pac0001222/
 【西口プロレス公式サイト】http://www.wgwf.com/