『嫌われ松子の一生』

jogantoru2006-05-30



 最近よく「一期一会」という言葉を聞くのですが、「一期一会」と「市毛良枝」って似てますね。似てますよね。


 そんな市毛良枝は出ていませんが役者クドカンがすごく良かった、中島監督が「作家の役は作家にしか出来ない」って言ってたけど、その通り。河村隆一太宰治ってどうだったのさ?観ないけど想像がつくもん。クドカン演じる八女川には弱さの中のある強さがやっぱり弱さであるというか、最後の笑顔の残像がニャー。ニャニャー。思い出すだけで鳴き声になるっつの。つうか伊勢谷も瑛太劇団ひとりも、もちろん中谷美紀も良かった。つうか全部良かったよ『嫌われ松子の一生』。最高ですよ。


 観終わってからしばらく呆けてました。呆けてたから苦手なとんこつラーメン食べちゃったもの。美味しかったもの。呆けっぱなしだったから今日までブログ書けなかったもの。嘘。でも、ほんと呆然。僕がレディーならレディー呆然。



 まあ、みなさん観るだろうから感想はいいとして、こんな映画があるんなら僕はもう映画撮らんでもいいんじゃないかと思ったりするわけです。撮ってないけど。でも撮りたい気持ちあるけど。THE BOOMの『手紙』でミヤが「すごいいい感じのミュージシャンが現れたら僕はギターを捨ててそいつの曲に夢中になるだろう」的なことを歌ってて、僕は「俺ならカラオケに行くね」と思ったけどそんな感じだろうか。多分そんな感じだ。とにかくすごい。すっっぎょい。
 『下妻物語』が良かったし、原作も良かったから、逆にそこには期待と不安が入り混じって混沌としてたけど、そんな気持ち吹っ飛ばされました。
 すっごいのです。
 先週観た『ダヴィンチコード』も『アンジェラ』もお話にならん。ぷぷぷーであります。やっぱ洋画はいかんね、邦画最高、日本人最高と改めて再認識いたしました。


 松子はあまりに不幸で悲惨な人生なんだけど、それは他人視点であって本人は至ってハッピーでポジティブ。それはポジティブに生きようぜ的な考え方ではなくて、本能赴くままに好きなように生きてて、自分の人生肯定して行かないとやってられんでしょ?という、つまりは前向きに、そうポジティブに生きるってことなんだと思う。



 あ。
 結局ポジティブ。



 もう一回、いやもう二回は観たい映画です。


【監督・脚本】中島哲也
【原作】山田宗樹
【出演】中谷美紀/瑛太/伊勢谷友介/市川実日子/柄本明/香川照之/黒沢あすか/宮藤官九郎/劇団ひとり/BONNIE PINK/谷中敦/ゴリ/荒川良々/武田真治/谷原章介/竹山隆範/柴咲コウ/片平なぎさ/本田博太郎/AI/土屋アンナ/木村カエラ