『ナイスの森』

　くだらねー。
　くだらねーくだらねーとゲラゲラ笑いながらの２時間半。あっという間。途中休憩もあるし。
　石井さんと三木さんとANIKIがやりたいことやりたい放題ぶちまけたらそれが集まってナイスなナイスの森が出来ました。そこに迷い込んだ人は「何じゃこりゃ」と思いながら妄想の森を笑いながら進む。そんな感じ。
　A面とB面に分かれて21の短編が連なっていて、その中心にあるのが三作。
　もてない三兄弟（寺島進+浅野忠信+アンドリュー君）の日々を描いた『GUITAR BROTHER』は般若とマサオ。
　なんかいい話をし合う三人組（池脇千鶴+尾野真千子+吹石一恵）の『語り温泉三人姫』は池脇千鶴がすごい。
　恋人未満カップル（加瀬亮+西門えりか）の『NOTTI&TAKEFUMI』は、カップルの会話の８割はバカとミュージカルで出来てるって思えるし、他にも『HOME ROOM!!!!!』の「やってやろうじゃねえか！」やら安田くんやらペロ監督やら笑いどころ満載。『茶の味』の佐藤くんの成長も嬉しい。
　多少のネタばれはええんちゃうかと、そんでもたぶんゲラゲラ笑えるだろうし。
　まあ、とにかく観なさいよと。このくだらなっぷりを、この感覚を共有したい。やぶさめに出る人はみんな観てください。とかまで言いたい。

　石井さんがパンフレットで「結局映画ってのは制約が多くて、やりたいことやるには短編が一番」って言ってて、そうよね、やりたいことやらないで何が創作よっつう話だよとか思う。僕の場合先立つ物がありませんが。ま、そこんとこは置いといて、その石井さんの精神に賛同しました。

　チャンスあればもう一回観たい。たぶん二回目の方が断然笑えるだろうから。

【監督/脚本/編集】ナイスの森（石井克人/三木俊一郎/ANIKI）
【出演】寺島進/浅野忠信/アンドリュー・アルフィエリ/加瀬亮/西門えりか/池脇千鶴/吹石一恵/尾野真千子/庵野秀明/轟木一騎/森下能幸/佐藤貴広/坂野真弥/高橋マリ子/貫地谷しほり/伴杏里/夏帆/三浦葵/菊地凛子/下田奈奈/津田寛治/志賀廣太郎/田中星児/水橋研二/森岡龍