『東京ゾンビ』

jogantoru2006-01-22



【監督・脚本】佐藤佐吉
【出演】浅野忠信/哀川翔/奥田恵梨華/松岡日菜/古田新太/楳図かずお/志賀廣太郎/橋本さとし/中村靖日/高樹マリア/ザ・たっち


 なんとなく観るタイミングを逃した感があった『東京ゾンビ』だけど、先日職場のSさんに小説を借りて「これを60代が読んで本当に楽しめたのか?」と思うのと同時に「これは観るしかねえな」と思ったら日曜がスコーンと暇になったので雪が残って寒い中観に行った。実際は我が家の底冷えっぷりが外より寒かったからでもあるが。


 観て良かった。
 くだらなくて、面白い。略してくだらない。あ、まんまだ。じゃあ、くだ白い。なんか怪しげな白い管。白い管を巻く中間管理職。がんばれ。
 んなことはどうでもいいんだけど、なんと言ってもハゲ哀川翔=ミツオとアフロ浅野忠信=フジオの二人に尽きる。ハマりすぎ。哀川翔は見事なまでのハゲたオッサンで浅野忠信のすっとぼけっぷりも見事。笑った。浅野さんの芝居で笑ったのは『茶の味』で真顔でウンコ話してる時以来。
 消火器工場で働く傍ら、柔術の練習に勤しんでいる二人だが、ある日廃棄物の山“黒富士”からゾンビが大量発生。二人はゾンビと戦いながら北を目指すもミツオはゾンビに噛まれて川に身を投げる。5年後ゾンビだらけの世界でフジオはゾンビファイターとして戦いに明け暮れる日々。そしてフジオの前に現れる最強のゾンビ。
 もう無茶苦茶なんだけど自然とストーリーは展開していき、それは脚本も書いている佐藤佐吉監督の腕なんですね。佐藤佐吉監督は『けものがれ、俺らの猿と』(僕の中では十指に入る名作)や『殺し屋1』の脚本も書いていて、やるやるとは思ってましたが、さすがでございます。キャストも古田新太志賀廣太郎といい感じで、ザ・たっちなんて双子ゾンビですもの。あれが双子ホリエモンゾンビだったら相当タイムリーだったんだけど。
 くだらないけど何だか熱くて、程良く感動して楽しめて。やっぱ映画ってのは楽しんでなんぼですから。僕は金払って号泣とか性に合わないし損した気分になるからこのぐらいがちょうどいい。つうか全然よい。
 あとは予告で観た青山真治監督の『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』が気になります。このタイトルはキリストが最後に唱えた言葉「神よ、何ゆえに我を見捨てたもうやーEli,Eli,Lema Sabachthani?ー」だそうで、こういうタイトルはギュンときます。中原昌也が役者で出てるし。観に行く暇がありますように。