東高円寺純情歓楽街
ASSHに新加入した宇都宮功氏(芸名考え中)が出演するイベントがあり、東高円寺へ。他のASSHのみなさんは多忙なため一人で行くことになった。東高円寺は昔住んでいたことがあるので昔住んでいたことがあるっぽい顔で歩いた。東高円寺にはアンタッチャブルなんかが所属している人力舎があり、何故あの時門を叩かなかったのかと後悔もするが、当時はオシャリーマン(オシャレなサラリーマン)になりたかったので仕方ないのだ。
などと考えながら到着したのは高円寺UFOクラブなるライブハウス。照明もトイレもすごく赤い。赤いトイレは『MAKE LOVE』とか書いてある上に男女共用なのでムフフとなるもそんなことあるわけがない。でもライブハウスやらクラブやらのトイレってのはイメージとして常に男女が個室に入ってムフフで××(チョメチョメ)しているイメージがある。もしくは誰かが必ずクスリやってるイメージがあるからなんか怖い。
ちなみに日本で最初に『××』を『チョメチョメ』と読んだのは山城新伍だそうだが、おそらく日本で最初ではなく世界で最初だと思う。
中に入ってドリンクチケットでビールをもらってからふと気付いた。
ライブハウスで独りぼっちの淋しいこと。
芝居なら一人で見に行っても訳知り顔で座ってればいいけど、ライブハウスには座るとこがない。みんなは仲間とガヤガヤしてるがぽつねんとしている僕はただの物好きのオッサンである。仕方ないので入り口近くの角に陣取りちびちびとビールを飲んでいたんだけど、あれですね、ライブハウスに集うような方々は相当なワルなんでしょう、入り口のドアを勢いよくバーンと開けるもんだからその度に僕にバーンと当たる。「ごめんねぇ」なんて気さくに言われても僕は「うー」とか「あー」とか「はままー」とかしか言えない。よく見てないけどその後「あいつくるくるぱーじゃん」ってやられてた気すらしてくる。僕は一人酒をするとどんどんマイナス思考になる。赤い部屋にいるのにどんどんブルーになっていく。
イベントは芝居と音楽のコラボレーションで、宇都宮氏は国士無党というユニットと一緒に登場。4人ともスーツにサングラスという格好で、まだまだタモリ人気は衰えてないなと再認識。宇宙戦艦ヤマトをベースにしたコントだったが嫌いじゃない感じ。宇都宮氏の達者ぶりを満喫させてもらったんだけど、タモリと宇宙戦艦ヤマトにどんな繋がりがあるんだろうか。
最初のバンドは熱かった。とにかく熱い。最初はMCでも「本当オレたちぃ、最高のライブを見せたいんだよねぇ」とか言ってたんだが、何曲目かの演奏中に「ちょっと!ちょっと待ってくれ!」って演奏を止めて「なんかさぁ、俺たち中途半端じゃね?このままじゃ、俺ら中途半端だと思われちまうよ!俺らやるしかねえよ!覚えておいてよ。俺たちは世界行くバンドです!」とか言い出したんだが、また「なんかテンション下がっちゃったからテンション上げさせて」って円陣組んで掛け声かけ合って「最後の曲です!」ギャギャーン!って何事だっつの。若さってそれだけで武器だよね。こういうのでいいの?分からんけど。
二組目は女の子がボーカルしてる「夜ねずみ」ってバンドで、このバンドは良かった。「アンケート書いてくれた方にはCD差し上げます」って言ってたけど内に籠もってた僕にもらいに行く勇気はなかった。
三組目はコブクロとゴスペラーズを合わせた平成のスターダストレビューみたいなバンドだったが、今どき「平成の」って冠は古いっつの俺。そんな感じだからお気に召さなかったけど、フロアで一人、古田新太似の丸坊主の紳士がものすごく踊ってたのが面白かった。
でもまあ劇団にしろバンドにしろ、世の中にはものすごい数のそういうのがあるわけで、これもなんつうか一期一会で、こうして見れてるってのは何らかの運命的なアレだなあとは思い、優しい目で見ましたよ俺は。
という感じでイベントは終わったんだけど、しかしながら困ったのはバンドなりコントなりが終わったあとの「間」でして、毎回10分くらいのフリータイムがあるわけです。みんなは談笑をしたり、出番が終わったバンドの子に「おつかれ〜」なんつってハグしたりしてるんですが、何せ独りぼっちなもんですることがない。頼みの宇都宮氏も出てこない。
仕方ないから、
屈伸してたね。
悲しいくらいに屈伸運動しまくった。不本意に腿筋がめきめきパンプアップされたもん。
その時に大槻ケンヂが高校生の時、休み時間に飲みたくないのにいつも水道の水をがぶ飲みしてたってエピソードを思い出し、俺も水飲み場あれば腹がぽがぽになるまで飲んでるなあと思ったもんです。はい。