『同じ月を見ている』

jogantoru2005-11-21



【監督】深作健太
【脚本】森淳一「Laundry
【原作】土田世紀
【出演】窪塚洋介/エディソン・チャン/黒木メイサ/山本太郎/松尾スズキ/岸田今日子/菅
田俊/水川あさみ


 おかえりなさい窪塚洋介である。
 文字通り不死鳥のごとく魔界転生してきた窪塚の復帰第一弾。正確には観月ありさ主演の『鳶がくるりと』でカメオ出演してるけど、やっぱり主演作ですから。スクリーンの中で窪塚が動いて喋ってるのが嬉しい。ナバホの村で大自然に囲まれてるドキュメントなんかでなく、やはり役者窪塚が一番輝いてると思う。


 『幼なじみのエミ(黒木メイサ)の心臓病を治したい一心で、医者の道を歩む鉄矢(窪塚)。恋人同士の二人のもとに、ある知らせが届く。もう一人の幼なじみのドン(エディソン・チャン)が、刑務所を脱走したというのだ。人の心を絵に描き出し、その人を癒してしまう不思議な力を持つドン。誰よりも純粋な心を持つドンに、大切なエミを取られてしまうのではないか・・・。そんな不安と暗い思い出を抱える鉄矢、そして二人の間で心が揺らぐエミの前に、ドンが7年ぶりに現れる。』


 前半は穏やかな展開で「窪塚地味な復帰だなあ」とか思ってたけど、中盤以降随所に窪塚っぷりが見られて、ガード下で鉄矢がドンに食ってかかるシーンは窪塚ワールド全開で、もうそれだけで満足。すごく痩せたせいか、顔のパーツがものすごくでかく見えて違和感があったりしたけど、やっぱり窪塚は窪塚であって、これが本当の復活なんだと感じられる。
 黒木メイサはJJのモデル出身らしいんだけど、僕はオリエンタルな顔はあまり得意ではないんで「ああ、オリエンタルだなあ」とか思いつつも、ええ、綺麗な顔しておりました。小雪とか橋本麗香に通じる機械的な美しさですね。
 しかし困ったのはエディソン・チャン。この人は三池崇史監督の『DEAD OR ALIVE2』や『頭文字D』なんかにも出てて人気者らしいんだけど、無口で純粋なドン役の彼の何気ない澄んだ眼差しな表情が僕にはどうしてもジョーダンズ三叉に見えて仕方なく、いつ「J!O!D!ためて〜、A!N!」って金八つぁんのマネするのかとハラハラしてしまった。しなかったけど。あと日本人なんだからいくら知能が遅れ気味なドンの役とはいえ、カタコトで喋られると軽く興醒める。
 脇では山本太郎が最高に格好よかったりもする。あと松尾スズキは白衣が似合う。


 話はベタというか、案の定泣かせどころ満載で、見事に僕もやられたんですが、普通にいい映画でした。窪塚復活祭にしては全体的に地味だから騒がれてないけど、いいと思う。
 帰り道には案の定夜空を見上げて月を見ちゃったりしてたし。


【公式HP】http://www.onatsuki.jp/