私は○○○になりたい。

　35度のとろけそうな日。炎天下の夢Play Ball Play Game!せーので走り出す。デートならデーゲーム。遊びたい年頃なんて訳じゃないけど、そんなSunny Day Sundayに東高円寺駅近くの蚕糸の森公園を歩いていると公園内にある噴水の前に小麦色した青年が腰を低く構え叫んでいた。

　「あっ！えっ！いっ！うっ！えっ！おっ！あっ！おっ！」
　「かっ！けっ！きっ！くっ！けっ！こっ！かっ！こっ！」

　うわー、演劇の人だー。何故に家族連れの集まる公園のド真ん中で発声練習してんだよ。これだから演劇の人は困る。不思議なもんでこれがサックスの練習なんかだったら微笑ましいのだが、炎天下に白Tシャツであえいう言ってる青年は頭がおかしいようにしか見えない。あんな風にはなりたくないし、ならない。

　とか言う僕も今日は演劇みたいなことをしておりましたが。
　

　で、そのまま下北沢へ。久々に北口の方に出向くといい感じ。南口はごちゃごちゃと暑苦しいのだ。パスタを食べ、こうスプーンでくるくるっと上手い事丸めるパスタの食べ方をマスターする。これでかわいらしさも増すのだ。
　そうか、ギャルはきっとこうやって食べるんだろうな。
　あーあ、生まれ変わったらギャルになりたい。
　とか思いながら下北沢ファインホールで伊達眼鏡『フレッシュ！スプラッシュ！』（作・演出植田裕一）を観劇。やっぱ植田さんと関口真弓さんはすごい。いや、すぎょい。面白かった。暑い日にはすかっと笑える芝居の方がいい。暑い日に悶々と考えさせられる内も外もジメジメしてくる。
　あと、人見知りを直したい。
　そうか、ギャルになれば「きゃー」とか言って突撃出来るんだろうな。

　僕は生まれ変わっても人間にはなりたくありません、人間なんていやだ。
　もし生まれ変わっても牛か馬の方いい。いや牛や馬ならまた人間にひどい目に逢わされる。
　どうしても生まれ変わらなければならないのなら、いっそ深い海の底の貝にでも…
　いや、ギャルがいい。
　ギャルだったら「きゃー」とか言ってオシャレとかもしてるからなんの心配もありません。
　ギャルだったらゲルマ温浴にも行けるし、丈の短いパーカーだって着れるし、兵隊に取られることも無い。
　どうしても生まれ変わらなければならないのなら、
　私はギャルになりたい。