演劇のカテゴリー

jogantoru2005-08-10



 僕は《演劇》という言葉が苦手で、何故かというと《演劇》という言葉には古臭さと堅苦しさと閉塞感があって「ふん、お前らに何が分かる。だって俺は演劇だぜ」みたいな感じがするのだ。それは《劇団》という言葉もしかりである。
 いまだにこの二つの言葉は口にするとちょっと恥ずかしい感じがして頬がレッドラム、いや、赤らむ。
 僕はよく役者仲間を「君は演劇の人みたいだな」と揶揄することがあるが、それは「芝居のことすごく考えたりしてて偉いね」というオブラートな意見の中に「お前それでええのんか?」という僕なりの優しさのエッセンスを込めているのだ。
 とは言っても僕も一般から見れば相当《演劇の人》なんだろうけど。


 しかし思う。音楽というカテゴリーの中にはPOPS、ROCK、RAP、R&Bからクラシック、演歌までいろいろあって、何を好むかは人それぞれである。GLAYEXILEのコラボに狂喜乱舞する人もいればモーニング娘。のメンバー入れ替えに一喜一憂する人もいるし、氷川きよしを全国追い回すおばさんだっている。別に僕はそういうのないけど、いいんじゃねえのと思う。人それぞれである。
 でも僕の中での《演劇》はいつまで経っても大きな括りでの《演劇》でしかなくて、末端ではあるけど《演劇》に携わっている僕がそんな認識なのだから、外にいる人間にとっての《演劇》とは如何なるものなんだろうか。
 僕が生まれて初めて観た《演劇》はびっくりするほどつまらなくて、それから数年劇場から足が遠ざかった。たった一本のつまらない芝居のせいで《演劇》全体に対して嫌悪感すら抱いた。
 だから今ASSHでやってるのは不思議だが、それは数年ぶりに観たASSHの芝居がやはり面白かったのだ。


 実際《演劇》というカテゴリーの中にはたくさんの才能があって、面白い舞台なんてそれこそ山ほどあるけれどそうでないものはその何倍もある。それは映画や音楽や本だってそうなんだけど。でも《演劇》ってのは情報が少ないだけに観るまでどんな芝居なのか分からない。高い金払ってるんだから期待するのだ。アルバム1枚買えるのだ。ロックかと思ってたら演歌のコンサートが始まる。そんなことが演劇ではあり得る。お客さんの期待を超えていかなければいけない。仮に演歌のコンサートでも満足出来れば文句ないのだ。下手すると数年前の僕みたいにその1回のために観なくなっちゃう可能性だってあるのだ。
 精進しないといかんなあと思う。
 ポジティブに。


 そんなことを考えながら帰りの電車に揺られていた。
 ついでに何書いてんだかよく分からなくなってきた。