『イン・ザ・プール』

jogantoru2005-06-11

【監督・脚本】三木聡
【原作】奥田英朗イン・ザ・プール
【出演】松尾スズキ/オダギリジョー/市川美和子/田辺誠一/MAKIKO/森本レオ/岩松了/ふせえり/きたろう/三谷昇/ちはる/戸田昌宏/松岡俊介


 超いい加減でテキトーな精神科医・伊良部一郎(松尾スズキ)のところに訪れる3人の患者。泳がないと精神のバランスが崩れてしまう『プール依存症』のエリート管理職(田辺誠一)、火の元や戸締りをちゃんとしたかどうか不安でたまらなくなる『強迫神経症』のルポライター市川実和子)、24時間勃ちっぱなしの『継続性勃起症』の営業マン(オダギリジョー)。
 継続性勃起症ってのはすごい。これ悲惨。やっぱエピソードとしても際立って面白かったしオチもキレイにまとまってた。オダギリジョー抜群。この人はコメディセンスがあると思う。後半に入ってからの彼の解放されていく経過もなんかすごくリアル。ありえない状況がものすごくリアルに伝わってくるから観てるこっちもゲラゲラ笑える。
 でも本当にありえないのか?「継続性勃起症」って病気は本当にあるんだろうか?


 と、調べてみた。
 

 『心が疲れている貴方へ』と書かれたHPには『メジャー系の抗精神薬で男性の場合は「継続性勃起や射精不能」などの副作用がでることが有ります』(http://www2.ocn.ne.jp/~koshiki/sub3.htm)とあるくらいで全く情報がない。逆の勃起障害、いわゆる『ED』ってのはたくさん症例とかあるんだけど。ちなみに先日原田知世と結婚したエドツワキさんは『Ed TSUWAKI』と明記されるけど勃起障害じゃないと思う。結婚してるし。
 話が脱線しました。
 つい。
 あ、つい。
 アツイ!ヤバイ!関係ナイ!
 ってなわけで再燃しているアルファ&スチャダラパー『惚れたぜHarajuku』より引用。ハッとしてZIG-ZAG気分でいるわけですが、24時間勃ちっぱなしはキツい。よく販売員の人とかって「立ちっぱなしの仕事だから大変」なんつーけど、こっちの勃ちっぱなしの大変具合は相当だ。これは男子にしか分かんないんだろうけど、蛇の生殺しみたいな状態が数時間続くだけで痛くなってくるわけだから彼の場合は本当温泉なんか行ってる場合じゃないと思う。その切なさをオダギリジョーは上手いこと演じております。劇場にいた男子は笑いながらも「これがもし自分だったら」と戦々恐々としていたことこの上ない。


 とはいえこの映画、松尾スズキの独断場。原作とは違った松尾版伊良部一郎が見事に完成されてて、「これは台本なのかアドリブなのか」と分かんないくらいの暴走っぷり。全然人の話聞いてないし話すぐ変えちゃうし。それにいちいち台詞が面白い。これビデオ出たらもう一度再チェックせねばである。ネタばれになるかもしえないけど「半分は犬の責任だよ」とか原作にもあった田口の別れた妻への罵倒っぷりとかいちいち面白い。で、なんか優しく温かい感じがあって(本人はいたって無責任でテキトー)、なんかいい具合。こういうお医者さんなら診てもらいたいし、注射打たれたっていいかもしれない。


 精神科ってすごく触れちゃいけないようでいて、それを可哀想とか(例えば鬱の人に「がんばれ」って言ったらいけないとか)思うよりも、なんかそれをゲラゲラ笑い飛ばせるってすごいことで、自分の心の奥深くに押し込んじゃって、周りも腫れ物を触るみたいにするんじゃなくて、オープンにしちゃって笑いに昇華させちゃえればいいのにと思う。でもそれが自分の立場だったりするとそう簡単にはいかないんだろうけど、そうであればいいなと思える。
 あとね、やっぱ笑える映画が一番いいです。


 全然関係ないけど、帰りに代官山で宮迫をみかけた。お子さんに振り回されて「やめてくださいー」とか言いいながら、なんか普通にお父さんしてて、ちょっと好感度アップ。


【公式HP】http://www.inthepool.jp/