10:[jyu]展

 仕事が終わって用事がなかったのでぶらりと代官山に向かう。ぶらりと代官山に。すいません、なんか素敵っぽいから太字にしてみました。まだまだ代官山ってのは俺の素敵ワードなのである。
 代官山に行ったのはema daikanyamaにて10:[jyu]展が行われているからである。10:[jyu]展とは10人のアーティストが共通のモチーフ=重箱を元に作品を制作。各アーティストは重箱の三段重を表現、発言の場所として作品を描いて(詰めて)いくという企画。
 参加アーティストは永瀬正敏板尾創路倉本美津留、堀内肇、デハラユキノリ、ひびのこづえ、BANDAI桑原茂一、田辺良太、Laure MEYRIEUX。そう、永瀬さんの作品があるってんで観に行ったのである。
 しかしながら会場のema daikanyamaつうのがなんかこじゃれた和食のお店の2階なのである。えー?ここ?とかなって店の前をもじもじ3往復。とりあえず入るだけで勇気をかなり浪費。
 で、ようやく中に入ると10人分の重箱オブジェが並んでて「わーかっこいいー」とか思いながらお目当ての永瀬さんの作品発見。タイトルは「Key」。本人のコメントに『いろんな意味で"Key"です』とあったように様々なKeyが施されている。いきなり蓋に鹿の角。それにかかった蜘蛛の巣、そしてそこに引っかかったKey。たくさんのKeyに繋がる様々な言葉。人生の"Key"となる様々な道具。煙草、コイン、ピストル、コンドーム、フィルム、世界地図。重箱に展開される永瀬アート(って書くとフミアートみたいだな)の凝縮。かっこいい。
 他には板尾の電気器具的三段重箱ってのがあってどうやら電気でパッカーンと開くようだけど『作品に手を触れないでください』とあってただの電気コードが出てる重箱だったり、倉本美津留のは重箱に白い石と黒い石が敷き詰められ1段目は『エゴ』という文字を形作り、2段目は黒が一つ減って『エコ`』、3段目はさらに減って『エコ』になってて「おー」みたいな。他のもそれぞれ面白かった。
 で、見ると『撮影禁止』って書いてないから写真撮っちゃっていいの?などと思いつつも、怒られたら一人だし俺泣いちゃうかもなと思って今日2発目の勇気を振り絞って優しそうな店員の兄ちゃんに「こ、これ写真とか撮ったら、ま、まずいすかね?」っつったら「少々お待ちください」って降りて行っちゃって、あーやばい絶対銀縁眼鏡のおばさんに怒られるんだ俺とかドキドキしてたらお兄さん上がってきて「いいですよ」ってナイス笑顔なので俺パシャパシャ撮る。でも一応ここには載せません。観たい方は会場に足を運んでみるといいです。今月末までやってるし無料ですし。
 これらの作品はすべてオークションにかけられてて永瀬さんの欲しいとか思いつつも現在価格11000円(最高値)。これ会期終了までにいくらになるんだよと入札を断念しましたが。
 でもこうしてたまには代官山とか一人で行っておしゃれ魂吸収するのもいいなとか思いましたが、結局D-FORMEとDEPTにしか入れなかったりする。なんか怖いんだもの。