GREEN DAY

 今日はみどりの日。前々から思ってはいたんだけどみどりの日ってネーミングってどうだろうと思う。元々は昭和天皇の誕生日であったんだけど昭和天皇崩御した後、昭和天皇が自然を愛したことから名付けられ「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを趣旨としているそうだ。でも来年か再来年かその先には「昭和の日」になるのだとかで、みどりの日は5月4日に移るんだそうだ。なんかみどりの日的には腑に落ちない感じだと思うがそこは呑んで欲しい。昭和の日は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ための祝日だそうで、そうなると明治は「俺だって維新とかしてるんですけどー」と言ってくるだろうし、大正は「短いからって蔑ろにしてんじゃねーよ」と拗ねるに違いない。だから明治の日と大正の日とか大化の日とか慶長の日とか貞観の日とか祝日が増えまくってくれたらラッキーだ。そうなってくると毎日各々玄関先には日本国旗が掲げられ毎日が旗日だ。酒を飲むなら和民だし、アルフィーの白顔ロン毛王子様はたかみーだし、高飛車な女はタカビーだけどタカビーってのはたぶん死語だと思う。


 そんな祝日でみどりな日ですが俺は仕事。なんで祝日に働かなきゃならんのじゃーと駅に行ったらホームには誰もいなくて俺ぽつーん。
 
 ひょっとして今日働くの俺だけなんじゃねーの、もしかしてみんなで美味しい物食べに行ってんじゃねーの、みんな俺見て笑ってる?お日様も笑ってる?地下なのに?何で?何で?あ、あれか、のび太のやつが「どくさいスイッチ」を使って俺以外の人間消しちゃったのか!?マジかよー?と一人で涙こぼれんばかりに身悶えてたら人が少しずつ増えてきて「あぶねー!あぶねー!」とギリジンばりに大はしゃぎで寂しさをギリギリで解決。
 で、独裁スイッチの事を思い出す。


 どくさいスイッチは俺がドラえもんの数ある話の中でベスト3に入るくらい衝撃的かつ憧れた話に使われたひみつ道具だ。うろ覚えだけど今でも覚えている話だ。
 「どくさいスイッチ」はその人の名前を言ってスイッチを押すだけでその人間を消し去ることが出来るという道具。これを手に入れたのび太は周りの人間を消していき、「だれもかれも消えちまえ!」と寝言を言ったために朝になったらすべて人が消えているって話。店に入れば何でも取り放題の食べ放題。好きなことを好きなだけやってても怒られない。最高だーとか子供心に思っていた。マジで。でもやっぱり誰もいないってのはものすごく寂しくてのび太は反省して世界は元通りになる。
 当時は『僕が「どくさいスイッチ」を手に入れたらあいつとあいつとあいつは消して、○○くんは残す。それであれしてこれして食べ物はもつのかな』などとあれこれ妄想しまくってたんだけど、今思うとこれはかなり大人なドラえもん話なんだと気付く。横暴を重ねる独裁者の行き着く末の孤独をのび太に演じさせているのだ。すごいね、F。
 世の中いろんな人がいて、それで世界は構成されていて要らない人間なんていないんだなとか思うけど、俺が「どくさいスイッチ」を手に入れたらあいつとあいつとあいつだけは消させてください。