カンガルーノート

jogantoru2005-04-27

 8月のASSH別腹公演の参『心象☆シンメトリー』(実際は☆ではなくハート)に向けて、読み合わせがあった。今回は櫻井正明氏による短編オムニバスであり要はそのネタを読んで合わせる会合というかとりあえず集まればいいじゃないという集まりなわけで終われば居酒屋に入っていくというのは自然の流れであって飲みたいから集まるのはアル中同好会の面々くらいである。
 とは言え。打ち合わせという名目で居酒屋には入るわけです。酒の力でひねり出されるグッドなアイデアもあるわけです。
 で入ったのは恵比寿駅近くの村さ来。軽く飲みつつ軽くつまみつつ話は尽きない。ふと壁を見ると貼り紙がある。
 そこには『当店のおすすめメニュー』とある。
 何を控えめにお勧めしとんじゃい、もっとアピールしてこいやぁ!などと口には出さずにそのメニューを見る。


『カエルの唐揚げ』
『カンガルーの唐揚げ』
『カンガルーのステーキ』
『ワニのステーキ』
『スズメの串焼き』
『ウサギの唐揚げ』


 え?
 カンガルーのステーキ?ウサギの唐揚げ?


 何故こんな恵比寿の小さな村さ来にカンガルーやらウサギが?「きゃあああああ、かわいそう!」ってなわけでさすがにウサギちゃんは食べることなんて出来ませんし、ワニとスズメは経験済みだし、カエルってのもなんだから、


 「すいませーん、カンガルーのステーキください」


 なんとも残酷な言葉な感じがする。
 カンガルーを食べる。日本語としては正解だが人間としては不正解な感じだ。
 でもこっちの妄想も膨らむばかり。皿を運んでくるお姉さんが熱い鉄板を掴むのにミトン代わりにボクシンググローブをしてきたらどうしよう。もしくはボクシンググローブを肩から下げてるのに素手で鉄板を掴み「あっつい」とか言いながら必死に持って来たら拍手をするべきか労わるべきか。厨房に戻るお姉さんはぴょんぴょん跳ねるんじゃなかろうか。


 そんな妄想を吹き飛ばしお姉さんが持ってきた(もちろんボクシンググローブはしていない)のはこんな感じ。
 
 普通。見た目普通。カンガルーの面影ゼロ。
 で、食べてみると口の中でお肉が弾けて飛び跳ねる!ぴょんぴょん跳ねる美味さだぜ!!ということもなく、普通。普通に固めのお肉。味ばっちし、歯応えばっちしのサイコロステーキ。あまりに普通なためにカンガルー食ってるという感慨もなく頭によぎるのは「ご飯が欲しい」の一念ばかり。そういうもんだ。どんなもんだって切って焼いて食っちゃえば同じだ。


 でも8月公演では跳ねますけどね。