牛のうんちで露天風呂

 朝っぱらからなんつうニュースだ。
 頭の中には糞にまみれた人々の嬉しそうな笑顔。泥パックとか砂風呂とかそういうラインの延長にうんこ風呂ってのがあって、若いOLたちはこぞってうんこに飛び込むのか。メタンがお肌にいいのか。角質を取り除くのか。「トイレが一番落ち着くー」って人が多いけど、うんこの中にいるとリラックス効果があるのか。なんじゃそら!などと糞慨、いや憤慨しつつもニュースの続きを読むと以下のようなことらしい。

 北海道江別市酪農学園大の卒業式に牛の糞尿を発酵させて出たメタンガスのエネルギーを利用した露天風呂と足湯が登場。卒業生は授業でお世話になった牛からのプレゼントに、身も心も温まっていた。
 同大は乳牛約140頭を飼育、メタンガスを燃料に1日約400キロワットを発電し、学内の施設に電気を供給している。今回は発電時の余剰熱で沸いた湯を、農作業用のプラスチック製おけに引いた。
 湯船につかった卒業生越水宏彰さん(22)は「牛たちのお祝いの気持ちが“熱い”ぐらい伝わってくる。今まで本当にありがとうと言いたい」と感慨深げ。イベントを主催した同大の岡本全弘教授(家畜栄養学)は「うんちのエネルギーを授業料のおつりとして返そうという、牛からの卒業祝いです」と笑っていた。


 全体的にはなるほどなーとか思うけど、岡本教授のコメントは気が利いてんだか小バカにしてんだか微妙で、そこに北海道の大らかさを感じる。一生懸命働いて払った授業料がうんこになってると知った保護者の気持ちはどうなんだろう。まあ、人間もどんなにいい物食っても最後は全部うんこになっちゃうんだから一緒か。そう言えば松尾スズキの『業音』で「人間はいろんな物を飲み込んで最終的にはうんこにして出しちゃうんだから、それをすべて受け入れる便器は偉い」みたいなこと(かなりテキトーだが)を言ってて、あーなるほどーと感心したんだけど、こうやってカタチとしてうんこの恩返しみたいなことされるとやっぱちょっと凹む。でもどこかでちょっと入ってみたい自分もいて、ちょっと冒険心をくすぐるし、うんこの匂いが鼻腔をくすぐる。あ、何でかと思ったらうんこ漏らしてた!

 ないない。

 
 牛のうんこ風呂を楽しむ卒業生。
 江戸時代の子供みたいな眼鏡だが。
 つうか罰ゲームにしか見えない。後ろで見てる女子には何て言われているやら。