世にも不幸せな物語

jogantoru2005-03-16

 これは今春公開のジム・キャリー主演作のタイトルだが世にも不幸せとはどんな規模の不幸せなんだと震え上がるも、まずタイトルでタモリの顔が浮かんで脳内音楽はデレレレレ、ッデレレレレ〜、デレレレレッテ、デレレレレ〜と世にも奇妙な感じになってしまい「え?春の特別編?」などと思われてしまうのが一番の不幸せかもしれない。だが、実はそこに引っ掛かる時点で宣伝的にはアリだったりもする。先ずは気に留められなくては踏み入ってはくれないのである。小狡いと思うけど上手い戦略である。どんなに面白い芝居を作ったって観てくれる人がいなければ意味がない。名作『摩天楼はバラ色に』で職を求めるマイケル・J・フォックスは面接で門前払いを食らいそうになって言う。「どんなに才能があったってチャンスをくれなきゃ活かせないでしょーが!だからとりあえず働かせてみろっつの!」。だいぶ噛み砕いてみたが概ねこんなことを言っていた。それからマイケルはその才能を発揮して成功と愛を手に入れるっつう分かりやすい話で中学生の俺はひどく感動したものだ。やっぱりマイケル・J・フォックスって素敵だなあと、和製マイケル・Jになりたかったと強く思うのである。

 あ、脱線した。脱線した上に遮断機下ろし忘れてた。

 そうそう、俺はこの『世にも不幸せな物語』に触発され昨夜から今日にかけて自分の身に降りかかった些細な不幸を書き連ねていこうと思ったのだ。甘いサクセスストーリーに浸ってる場合ではなかった。むしろ俺がサクセスしろ。頭皮にもサクセスしろ俺。皮脂に溜まった油分を根こそげ俺。
 さて、不幸の話である。昨夜は桜上水で稽古があり桜上水と言えば我が家からすぐなのでラッキラッキーだった。稽古場の1階にはヨークマートがあり稽古が終わる頃には閉店間際のサービスタイムだから俺は「おつかれした」なんて言いつつヨークマートに飛び込んだ。閉店間際のスーパーは素敵だ。値落ちした札を付けた総菜たちがキラキラした目で「買って買って。あたし安売りしてるから買って」とせがんでくる。かわいい奴らだ。そしてそこには切なさも同居している。さっきまで980円だった寿司詰合せが490円になってる。ワンコイン寿司だ。そこまでして食べられたいのか寿司よ。兵どもが夢の跡。酢飯もいつになく酸っぱかろう。
 あ。
 また脱線しつつある。早く軌道修正しなくちゃとか思いつつも実はもう不幸せ話とかしたくなくなってる。ここに到達するまでに気が変わったのだ。いや違う。ここからが長い割に大したネタでないことに気付き、ちょっと面倒くさいのだ。よかろう。ドンマイ俺。とりあえず不幸だったことを書き連ねてみるとする。
 朝おゲロを踏み、仕事用の車を擦り、ようやく見つけた『NEIGHBORHOOD MAG』という本を買ったそばから破り、稽古前に無駄に一時間歩かされる羽目になり、深夜にチンした肉団子6ケをレンジから取り出す時「あっつい!」ってなって床にぶちまけた。
 うん、大したことない。死んでませんもの。

 『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』公式HP→http://fushiawase.jp/