パイレーツ・オブ・マレシアン

jogantoru2005-03-15

 マラッカ海峡で14日、日本船籍のタグボート「韋駄天」が海賊に襲撃され、日本人の船長と機関長、フィリピン人乗組員の三人が拉致された。
 不謹慎を承知で言えばかなりのびっくりわくわくニュースだ。いやむしろWAKUWAKUだ。だって海賊である。海賊。そんなの映画か本の中だけの存在であり過去の遺物だと思ってた。日本で言えば小泉総理が赤穂浪士に討たれたとかお台場作ったのはだいだらぼっちだとかそういう類いの話だ。海賊なんてちょっとしたメルヘンであって現実感が何もない。
 だって不審船団に囲まれて
「どうした?北の船団か?」
「いえ、海賊です」
「…えー?マジで?」
「あれを見てください」
 見るとその船の乗組員たちは皆毛むくじゃらで大きな角の付いた鉄兜を被り刃渡りのある刀を振り上げ酒を飲み歌を唄っている。何人かは眼帯だ。そして船に掲げられた旗にはドクロのマーク。
「えー!すごーい」なんて身を乗り出してきゃっきゃ喜んでしまうかもしれない。子供ならワンピースだと思っちゃうし女子ならジョニー・デップかと思っちゃうに違いない。こちらの船に乗り込んできた海賊の一人(なぜかお姉さんだ)が言う。「さあ、みんなで宝島を探すのよ」「おー!」。なんかそういうアトラクションかと思う。それだけ『海賊』という言葉は虚構性を帯びていてリアリティがない。
 しかし日本の船が海賊に襲われ、船長以下3名が拉致されたのは事実であり、ペナン島に停泊している「韋駄天」は銃撃の跡や血痕などが痛々しい。早く人質が解放されるといいが一人くらいは海賊と意気投合し仲間となり日本人海賊王として七つの海を渡るのだ!
 あ、また不謹慎な方向に。そのくらい『海賊』にはリアリティがなくて夢とか希望のワードに近いのである。いや本当に人質の早期解放を願ってるですよ俺は。
 海賊は英語でパイレーツだが西本はるかの抜けた後の新生パイレーツはどうなったんだ。全然見かけないっつうの。いや、見かけないんだっちゅうの。