『あずみ』

 今月12日から公開される『あずみ2 Death or Love』(金子修介監督)http://www.azumi2.jp/index.htmlの客寄せ放映だったけど、前から気になってたけど劇場に行くわけもなくビデオでレンタルしても失敗しそうな予感がしてたので丁度よかった。『あずみ』の監督は北村龍平なんだけど、なんか北村龍平って監督は好きになれん。インディーズ出身の監督なんだけど名前が劇画っぽくてカッコつけてるのとイメージ的になんとなくイヤな奴っぽい名前で絶対俺のこと見下してると思う。いや絶対ってのはないか。でもたぶん出会ったら俺なんて右の拳でぼっこーん吹っ飛ばされるもん。そして俺を馬上から見下ろす北村龍平。あ、なんかラオウみたいなイメージがあんのね俺ん中で。
 でも稽古稽古稽古の疲労困憊ボーイな俺が稽古後に見て最後まで一度も眠くなることなく観終えたんだから面白かったんだと思う。
 話は1600年代初頭、刺客として育てられた10人の若者たちは、爺(原田芳雄)の命令でまず仲間同士で殺し合いを強いられ、勝ち残ったあずみ(上戸彩)ら5人は、徳川に反旗をひるがそうと企む浅野長政伊武雅刀)や加藤清正竹中直人)の暗殺の任を受けるがみたいな感じで俺は原作読んでないからなんとも言えんけど全然普通っつーか結構浅い。さらにアクションシーンでのCGとか中途半端でショボいんだけど、まあ観れちゃうんだからアリなんだと思う。何が?分かんない。けど、役者はよかったと思う。なんか「上戸彩の太ももに萌えた」みたいな記事しか知らなかったけど、成宮寛貴の死に様とか小橋賢児(この人は永遠の若手って感じがするな)の最期とかよかった。特に成宮くんの最期に「クァァァ!」みたいな顔は鬼気迫って切なかった。あとは、最近売れっ子の瑛太とか金八つぁんとこの息子とかソッコーで斬られて死んでるし。何気に飛猿役の人を途中までゴリだと思ってたし、悪党な役で出てた遠藤憲一がすごくかっこよかった。
 でもなんと言っても最上美女丸を演じたオダギリジョーが一番だった。白く化粧された顔の下に白装束を纏い常に一輪の薔薇を持った妖しい容貌とオカマ言葉でハイテンションかつ冷酷なキャラは存在感ありあり。「アカルイミライ」とか「新撰組!」での寡黙なオダギリジョーとは全然違って、すげーこの人やっぱすげー、と「すげー」をダブルで添えてしまうほどにすげーとか思っちゃう。最近のライフカードのCMといい、この人なんでも出来るのね。
 というわけで内容はどうでもよく全体的に役者で見れちゃった感じの映画だったけど、それそれでいいんじゃないかと思う。芸術性やら求めてる映画でなく単純に娯楽映画なんだから。ちなみに『あずみ2』では浅野長政加藤清正を暗殺した後の話で、唯一生き残った”ながら”と共に最後の標的真田昌幸に迫る。キャストでは今回も遠藤憲一が出る上に、新しく栗山千明なんかも出る。真田昌幸の話だから俺の好きな真田幸村も出るんかなーと思ったら幸村役は永澤俊矢だった。だめだ、この人も俺を馬上から見下すタイプだ。怖いしクドい。
 でも早くも『あずみ3』の制作が決まったとか決まらないとかで『3』には出たいもんだ。
 サラリーマン役とかで。


 
 『あずみ3 −サラリーマン早調べクイズ−』