横浜日劇フォーエバー

 前に書いたんだけど横浜日劇が閉館になるということで最後にその雄姿を拝めなくてはならんと思いつつなんだかんだと忙しく気がついたら2月18日の閉館を迎えてしまった。
 でもとりあえず取り壊される前にその御姿をばこの左右歪な目に焼き付けておかねばならんと思い、ASSH本番前最後の日曜休み、一路横浜黄金町へと向かった。関内の駅から商店街をざんざん歩くとお腹が痛くなって俺の大腸が悲鳴を上げてビッグベン。松坂屋の2階に駆け上がり婦人服コーナーから子供服コーナーを抜けてトイレットに向かうとなんだかデジャブ。「あ、この風景見たことあるー」と思いつつ感慨に耽る間もなくトイレに入ってズボンおろしてギリギリセーフ、改めて忘れかけてた感慨に耽ってみると前もお腹痛くなってここのトイレに駆け込んで難を逃れていたことに気付く。遠方のトイレも2度入るとなんだかもう落ち着くものである。つうかいつも俺は黄金町に来るとお腹痛くなってんのかと思いながらもいざ日劇へ。
 まずファーストショック。日劇手前にあったコトブキ食堂(映画濱マイクでマイクが茜とメシ食ったりしてる店)が場所移転して小洒落た感じの喫茶になってる。コトブキでメシ食おうと思ってたのにー、と思うも料理の味ではなく店の味を求めていたため入るのをやめる。で、コトブキを越えて右折するとそこにはいかがわしい昼間なのにピンクのピカピカした看板眩しいファッショナブルでヘルシーな店は健在でその向こうに見せるは横浜日劇である。
 
 すでに入り口のシャッターは下ろされているもその姿もまだ健在。とりあえず安心する。何人か人がいて日劇をカメラに収めていた。やっぱりみんな惜しんでいるのねと近付く。
  
 入り口には『長い間、誠にありがとうございました。大変残念ながら当横浜日劇は2月18日をもって閉館することとなりました。』の文字。シェチュネェ。しかも向かいにあったジャック&ベティという映画館も同時に閉館していた。道路沿いにはかつて日劇で上映されたさまざまな名画のポスターが並び、道往く人が足を止めている。
 そしてアサさんがチケットを売っていた窓口の横には映画濱マイクシリーズ全作品のポスターが貼られているという気の効いた演出がまた泣かせる。
 
 やっぱり日劇がなくなるってのはなんか俺ん中で一つ大事な物が失われていくようですごく寂しい。何度も何度も日劇に向けてシャッターを切るじいさんの背中がすごく物悲しさを誘って尚一層シェチェネェ思いがした。