サウンドオブ上北沢

 この土日はまさに引越フェスティバル。土曜はASSHの多智花氏と黒谷氏、そして松本さん(70歳・トラック運転手)に手伝ってもらう。
 ひょんなことから手伝ってもらうことになった松本さんは朝の9時から2トントラックで現れ、奥さん(推定68歳)が握ってくれたおにぎりと魚肉ソーセージまで振る舞ってくれるのだ。なんというか、いい人だ。
 とりあえず大きい物だけ運べればいいやという考えの僕とは対照的に3人はテキパキと物を運び出し、遂には手を付けてない物まで梱包して運び出す。もう誰の引越しだか分かんない。もう何を持ってって、何を捨ててんだか分かんない。
 とりあえず申し訳なかったりもするので「こんなもんでいいすよ」と言うと松本さん。70歳の松本さんが額に汗して一言。


「やっちゃおうよ」


 すごく気楽なスーパーフリーみたいな「やっちゃおうよ」。他人に迎合しまくるキル・ビルルーシー・リューみたいな「ヤッチャオウヨ」。
 そんな一言にボルテージは上がり、気がつけば部屋は空っぽ、トラックの荷台一杯に荷物が詰め込まれていた。
 やっぱり人をやる気にさせるのは愛のあるトゥギャザーな気持ちだ。
 やっちゃおうよ。
 ポジティブな感じである。



 そんな松本さん、うちにあった2m×1mの板を「このままじゃ捨てられねえな」と壁に立て掛けるとキックでバリーン!次にはテレビ台に立て掛けてキックでドーン!しかしながらテレビ台にはキャスターが付いていたためにテレビ台が壁に向かって猛ダッシュでドゴーン!!
 上北沢に轟音が響き渡る。
 豪快だよ松本さん。


 でも松本さん、それ新居で使うやつだったんだよ。