バカも天才も高い所に

jogantoru2005-10-02


 今日の午後3時頃、東京タワーを地上100mよじ登り横断幕を掲げて世間を騒がせた川田光弘なる若ハゲでバカがいた。その横断幕にはハート入りで好きな女の人の名前が書かれていた。書かれていた方も迷惑どころの騒ぎじゃない。
 
 川田光弘(31歳・バカ)


 ちょうどその頃僕はそんな東京タワーを見下ろしていた。
 場所はヒルズ族でなく庶民ひしめく六本木ヒルズ52階。
 僕はそこで催されているレオナルド・ダ・ヴィンチ展を訪れていたのである。
 地上100mにはバカ。そのちょい上には世紀の天才。不思議なもんだ。


 この展示会はダヴィンチの直筆のレスター手稿と呼ばれる文書が公開されている。
 ダヴィンチは文字を逆さまに書いていたんですね。だからレスター手稿は鏡に映すと読めるというわけ。つまり『b』は『d』、『p』は『q』と表記され、『i』は『i』だから愛は愛だし最後に勝つしそれが一番大事。意味分かんない。つかイタリア語が分かんない。そこにはダヴィンチが考えた科学的、天文学的な様々な実験が書かれていて、それが実際に体験出来たりする。


 そもそも『ダヴィンチ・コード』にハマってたから来場したというのもあり、ダヴィンチとシオン修道会との関係が明かされたりするのかと思いきや、そういった展示はなく、代わりにダヴィンチが男色で裁判にかけられただとか10歳の美少年サライ(小悪魔の意)を弟子にして溺愛していたなんて記録を発見。修道会の謎は残ったが衆道であることは判明した。
 他にも最初の『岩盤の聖母』と書き直させられた『岩盤の聖母』や、マグダラのマリアが描かれていると言われる『最後の晩餐』なんかも見れた。あの突き出された短剣やイエスの表情など大きなサイズで見るとやはりすごい。で、やっぱあれはマグダラのマリアだし。
 他にもダヴィンチの考えた兵器、例えば巨大弓矢(戦車に巨大なボウガンが搭載されている)のスケッチがあったり、彼の描いた最後の審判的な未完の『大洪水』の習作があったりして楽しめた。
 なんつっても500年以上前の人だもん、すごいよダヴィンチ。日本ではようやく織田信長が出て来た頃に、巨大弓矢戦車考えたり、太陽までの距離算出したりしてんだもん。
 知らなかったダヴィンチという天才の、その天才たる一部が理解出来て、なんかこういう知的な休日も素敵だったりする。