バイウハザード

jogantoru2005-06-22


 うざい。
 雨うざい。
 この時期になると洗濯物を室内に干さないとならない。そうすると部屋ん中に酸っぱい匂いがしてくる。部屋ん中に酸味が充満する。
 酸味一杯の攻撃である。
 しかしながら、実のところ俺はほぼ万年室内干しなのだ。でも酸っぱい気がするのはこの時期だけ。何故だ。やはり雨が関係しているのだ。6月の雨は酸っぱいのだ。
 あ。
 だから梅雨っていうんじゃねえの?
 正解。
 梅というと三国志のあるエピソードを思い出す。魏の曹操張繍征伐に際し行軍していた時、水場への道を失い、将兵が喉をかわかして進軍がはかどらないことがあった。「喉カラッカラだし歩けないっすよ」と皆はぐずり始め、そこで曹操は言った。『前方に大きな梅林があるぞ。甘酸っぱい実がたくさんなっているから、喉の渇きがとめられるぞ』。これを聞いた兵士たちは、口の中から唾を出し渇きが癒えた。その勢いで、前方の水場まで一気にたどりつくことができた。
 確かに梅干しとか見るだけで唾が溜まってくるし、実は今も書きながら唾液が出てきている。
 しかしこの曹操の発言は思いっきりの嘘だ。もちろん山を越えるとそこに梅林なんてなかった。このエピソードは『梅林を望んで渇を止む』などといい「曹操賢いー」なんて思われてる。しかし兵士たちは喉の乾きを忘れることが出来たのだが、中にはすごく梅大好きな兵士もいたはずだ。


兵士『殿、梅林はどこでありますか?』
曹操『は?何が?』
兵士『え?さっき梅林があるって言ったじゃないすか!』
 すると曹操は振り返り答えた。


 


 ひどい話である。
 愕然ですよ。曹操は言います。「それは言葉のあやじゃーん。知略だよ、知略。お前、いちいち五月蝿いんだよ」。ズバーッ! 確実に斬ってるね曹操。乱世の奸雄だもん。それを見た紳々と竜々はびっくり。「えらいこっちゃでぇ」「やっぱ劉備はんの方がええで」とか言ってその場を去ろうとしたところを曹操に見つかって「ひゃー」、一目散に逃げよりますわ。


 でも人間の想像力ってのは逞しいもんで、梅のこと考えるだけで喉の渇き癒されちゃうのである。要は気の持ちようだってこと。
 ま、その逆もあるわけで「仕事行きたくねー。だってストレス溜まってんもんよー」とか思ったら胃液が溢れてきた。厭なパターンである。俺ん中の曹操が「この電車を降りると今日も厭な感じで仕事しなくちゃならないぞ!」とか叫んでんのかも。
 のんびりしたいもんだ。半年くらい。