肉肉肉肉肉肉肉肉

jogantoru2004-12-18


「肉」ってたくさん書いてると「本当肉ってこういう漢字だったっけ?」っつう感じになる。なんか困った顔したジジイの顔みたいに見えてくる。肉。困りまくっている。がんばれ肉。
焼き肉で忘年会だった。TOO SHY SHY BOYな俺は肉をぱくつくことに集中する。ビールを飲む。肉ビール肉ビール肉ビール肉ビール。カルビタンハラミロース。食いながら思う。こいつはどこから来た牛さんなのか。日本のどこか?それともオーストラリアの家畜さん?とか思う。
オーストラリアで家畜として大草原の小さな家みたいなとこで育った彼は娘のローラと仲良しだったけどとうとう売られてしまう。未知の国ジャパンに。ローラはパパに言う。「やめてパパ、テリーを連れてかないで」「仕方ないんだ」「やだやだやだやだー、パパなんか大嫌い」「分かってくれローラ、仕方ないんだ」「うるさいパパの豚野郎」「豚!ジーザス!パパは家畜じゃない、人間だ」
そんな2人を見てテリー(牛)は決心する。「2人ともやめて。僕はそういう運命なんだ。家畜ですから。家の蓄えのために売られていく家畜ですから。家畜は家畜らしく家畜みたいな生き様を選ぶよ。僕は日本に行ってケン・ワタナベのような生粋のサムライに食べられてくるから」。ローラは目に涙を溜めて頷く。「分かったら泣かないで。僕家畜だから。家畜だから!」
こうしてテリーは日本へ旅立った。
そしてケン・ワタナベではなく俺が食っちゃった。ガツガツガツガツ食っちゃった。そんなダウンタウンの漫才「食いしん坊はいやしんぼう」のネタみたいなことを思い、夜は更けていく。
人生は一期一会。出会いと別れの繰り返し。それ大事。大事にしたい。テリーが俺に食われたのも運命、ローラがその後仔牛のジョーイに夢中になるのもまた運命。