衣食

jogantoru2004-09-16

そこは俺の実家の客間のようでもあり、どこかの座敷かもしれない。なんかけっこう広い。
親戚一同が車座になって座っている。
みんなは黙々と「ナス、ガス爆発」を読んでいる。しずかに読んでる。
俺は円から少し離れたところにある小さな卓袱台で食事をしている。
卓袱台には鍋が置いてあり、そこにはお湯が張られていて中には紺色の物体が沈められている。俺はそれを長い箸でつまみ一生懸命食べている。
それはスーツのズボンだ。
ズボンはナイロン製だからどうにも噛み切れなくて、ただ無味のお湯がじゅぶじゅぶと染み出してくる。なんの調味料もないからだ。
すると台本を読んでいた従姉妹が振り返る。彼女はトラックドライバーだ。
「へええ、トオルはこういうの書くんだ」
と、笑うわけでもなく冷淡な目で言う。冷ややかだ。
俺はズボンに夢中だから言葉を返せない。
だってズボンが噛み切れないのだ。

そんな夢を見た。
たぶん吉兆であると信じたい。